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なぜ+50%の後に−50%だと元に戻らないのか

なぜ+50%の後に−50%だと元に戻らないのか

公開日 2026年8月14日

初見ではほぼ全員が間違える問題です。保有している株が50%上がり、その後50%下がりました。元本に戻っているでしょうか?

戻っている気がします。答えはノー——お金の25%を失っています。

計算を一歩ずつ

10,000円からスタートするとします。

  • +50% → 10,000 × 1.5 = 15,000円
  • −50% → 15,000 × 0.5 = 7,500円

最後に残るのは7,500円で、10,000円ではありません。しかも順序は関係ありません。先に50%下がって(10,000 → 5,000)、その後50%上がっても(5,000 → 7,500)、着地点は全く同じです。

なぜこうなるのか

それぞれのパーセントが異なる基準額から計算されるからです。+50%は元の10,000円を基準に測りますが、−50%は増えた後の15,000円を基準に測ります。15,000の半分は10,000の半分より単純に大きい——だから下落で失う金額は、上昇で得た金額より多いのです。

種明かしはこれだけです。パーセントは絶対額ではなく、「その時点の値」に対する比率です。基準が変われば、同じパーセントでも意味する金額が変わります。

回復に必要な上昇率の一覧

さらに重要な帰結:損失の後は、元に戻るためにより大きな上昇率が必要になります。

損失 回復に必要な上昇
−10% +11.1%
−20% +25%
−33% +50%
−50% +100%
−75% +300%
−90% +900%

50%の損失を取り返すには100%の上昇——つまり資産の倍増——が必要です。投資で大きなドローダウンがこれほど痛い理由であり、「もう80%も下がったんだから、これ以上大きくは下がらない」という考え方が危険な理由でもあります。そこからさらに50%下がることは、やはり50%の下落なのです。

他にハマりやすい場面

  • 重ね掛けの割引:「20%オフ、レジでさらに30%オフ」は50%オフではなく、1 − (0.8 × 0.7) = 44%オフです。
  • 減給と昇給:10%の減給の後に10%昇給しても、給料は元の99%にしかなりません。
  • インフレとリターン:5%のインフレは5%のリターンでは「相殺」されません。理由は同じ基準額のズレで、複利で年数を重ねるほど差は開きます。

自分の数字で確かめる

代数計算をせずに検証したいときは、パーセント計算機が日常の3つのパーセント計算——ある数のX%、XはYの何%か、2つの値の変化率——を入力と同時に計算します。インフレの例のような複数年にわたる効果は、複利計算機で同じ非対称性が時間とともに膨らむ様子を確認できます。

一文でまとめると:**パーセントの上昇と下落は対称ではない。それぞれが異なる起点から測られるからだ。**セール、ポートフォリオ、給料——連続するパーセント変化が絡む場面では、パーセントを足し算せず掛け算で計算すれば、この罠は消えます。

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